シクロクロスが好きなGIROの日記


by giro1965
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カテゴリ:音楽( 11 )


先週奈良の秋篠音楽堂で開かれたエリック・ハイドシェックのコンサートに行ってきました。
そもそも、この人の名前をなんでハイドシェックとよむのか不明。フランス人だからエドシークがただしいと思うし、ドイツ語で呼んだとしてもハイドジークになるはずなのに。
この人は父が好きだったピアニスト。家にはモーツアルトとかベートーベンとかがあった。
それは今からもう20年か、それ以上前の話ですが、リアルな演奏を聴くのは初めてでした。

この人はフランス人なのに、うちにはドビュッシーなんかはほとんど無かった。バッハ、ハイドンから前期ロマン派中心に流れていたので、じつは、家ではピアノの巨匠たち、たとえばショパン、ラフマニノフとかリストとかはあまり聞いてこなかったのでした。

さて、コンサート。もう74歳という巨匠です。シューベルトの楽興の時の途中から、弾けなくなってしまったり、プログラムの曲を飛ばしたり、でもアンコールはたっぷりやったり・・・というおちゃめな演奏会でした。この年になれば、もうなんでも許されるのね。

シューベルトの曲は、とちゅうで投げ出されたけど、とても面白そうなので、後でCDを買おう。それとアンコールのヘンデルの前奏曲も素敵でしたね。もともとはピアノ曲ではないんだろうけどね。
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by giro1965 | 2011-11-30 16:49 | 音楽

モントリオール交響楽団

オタワでCIHIの方との打ち合わせが終わってモントリオールに移動。当初は別の打ち合わせが入っていたけど、先方のご都合で延期になったので、モントリオールシンフォニーに行くことにした。

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ホテルの部屋から
実はこのオケ、高校生のときにシャルル・デュトワが指揮したラベルのボレロとか、ラ・バルスとか、あとプロコフィエフなどのレコードを持っていて、一度は聞いてみたかったオケです。しかもつい今月初めに新しいコンサートホールを開いたばかりだというではないか。さっそくオンラインでチケット検索をすると・・・・ありました。最前列・・・・しかし一番左端。

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シンフォニーホールのロビー

んで、プログラムは何かと見てみると、ブーレーズ、ペロタン??そしてチャイコフスキーのバイオリンコンチェルト、さらにショスタコビッチの十五番のシンフォニー。
な、なんなんだ・・・・この組み合わせは?と思っていた。

実際にシンフォニーに入ると、木目のモダンのすばらしい内装。残念ながら、カメラは電池切れでロビーの写真しか撮っていないけど・・・・

しかし左前の席は・・・・ピアノのまん前、オケは右半分しか見えない・・・まあいいや。
指揮はケント・ナガノさん。ついこの前までバイエルン州立歌劇場の引越し公演で日本に来てたんじゃなかったっけ?

始まる前に、この会場の杮落としのついでに、このプログラムについてのご説明があった。「なんだか滅茶苦茶なプログラムに思われるかもしれませんが・・・・」と私が思っていた通りのことをいう。
「ブーレーズが前衛的だったのは当然です。でも考えてください。グレゴリオ聖歌のときの単調な旋律から、12世紀にペロタンは、オルガヌムという多声音楽を導入しました。これは革命だったのです」さらにチャイコフスキーの今では誰もが知っているメロディーも当時は「予定されていたバイオリニストに拒否されるなど、前衛でした、そしてショスタコービッチも。」なんていうスピーチがありました。「今日は新しい劇場のオープニングのコンサートでもあります、そこでみんなで音楽の“構造”を共有してみようとおもいます」みたいなことを言ってコンサートは始まったのでした。

さブーレーズのはノタシオンの1番。これを聞くのは初めて。最初はチェレスタ入りの巨大なオケ作品。
次にペロタンのオルガヌム・・・曲名は知りませんというか、ないかもしれない。古学のCDのどこかに入っていたかな。合唱と通奏音で、オケなし。簡単な旋律に低音が上乗せされて、展開される・・・気持ちよい曲。波間に音符が漂っているような感じ。
そして続いてブーレーズのノタシオンの4番。今度はチェレスタのかわりにピアノ。

料理にたとえれば、ちょっと変わったアペタイザー。あるいは行き成りシケインが出てくるシクロクロスレースみたい。次はチャイコフスキーのバイオリンコンチェルト。バイオリンはギドン・クレメール。
1楽章はカデンツァの最初の倍音が外れた他はパーフェクトな演奏。それとも、ここはピアノでいいのかな?
しかし、この人のバイオリンは生き生きしていていいなあ。最後の楽章のコーダの部分がちょっとずれた?と思ったら弦が切れたのかな?なんか変だった。終わってみるととてもいい演奏でした。
タンゴだけじゃないんだな、やっぱりこの人は。
それと、フルートとバイオリンのかけあいがとても美しいんですのこの曲は。
今年はマリス・ヤンソンス指揮、エフゲニー・オネーギンにもいったし、めったに行かないチャイコのコンチェルトも聴けた。

さて、そしてショスタコ15番。これを聞くのははじめてだと思う。だってウイリアムテルの序曲やワーグナーなんかが散りばめられていて、もしどこかで聞いていれば忘れるはずが無いじゃないような曲。
第一楽章で突然ウイリアムテル序曲が引用されて面食らう。それから多分指輪の旋律も。
第三楽章はこんどは指輪のライトモチーフが繰り返され、それがトリスタンとイゾルデの動機に変わったかと思うと、こんどは長転してのワルツに変わっていくという変なもの。どちらかというと、指輪は指輪で聞きたいかな。

こういう引用の仕方をみると、バルトークが曲の上でショスタコの引用をして、あざ笑ったことがあるのを思い出さずにはいられなかった。なんだったけショスタコの第五番が引用されておちょくられるのは?それともバルトークでもなかった?

ということで、あまり気持ちよく聞いていられる曲ではありませんでした。

さて、新しいシンフォニーホール。まだ木が新しくて・・・・なんか乾いた音?がする感じ。ただし最前列の一番ひだりという、音響を判断できるような椅子にすわっていなかったのも事実です。

終わってホテルに帰ると、知人・友人たちが沢山きていました。一緒に近況報告していたら、12時をすぎていました。
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by giro1965 | 2011-10-19 23:08 | 音楽
今朝は20分の模擬レース。まだ右手関節が痛いので、たちこぎはほとんどしなかった。

さて、土曜日のカルメンの後、ホール内のレストランで食事。子供たち二人はおちつかず、こっちが疲れた。大津のプリンスホテルに宿泊。運良くスイートルームにアップグレード、ラッキーでした。ホテルの部屋食にすればよかった。ということで朝食はルームサービスをのんびりいただきました。

日曜日は、残暑はげしく、当初は午前中は子供を公園であそばせようと考えておりましたが、結局大津のイオンでお買い物。子供服など。

その後はベリーニの清教徒に行きました。
オペラの中でも、この分野、つまりベルカントオペラは、私が避けて通ってきたタイプのオペラ。何度か挑戦はしてみたよ。ドニゼッティ中心だけどね。愛の妙薬とかシャモニーのリンダとか、どうも私にはしっくり来ない。ウイーンとかミュンヘンでの体験だったからかもしれない。
またしても主役級の変更が2つもあり、特に100年に一人の逸材といわれるフローレスが来ない。

そしてまずはエルヴィーラを歌ったソプラノのランカトーレ。すばらしい。ただし低音のeとかiの音が濁るくせがある。他の人のブログによれば、蛙の鳴き声みたいと酷評もしてあった。

この種のオペラは、いわゆる声のスポーツのようなものだ。昔フィギアスケートで、ジャンプの前に腕で変な動作を入れないと飛べない人がいたが、これと同じで、癖なんでしょうね、蛙のeが。
一方、アルトゥーロ役はスペインのテノール、セルソ・アルベロ。 「清教徒」は現地のボローニャで、フローレスとダブルキャストで歌ったひとです。この人は高音も難なくすばらしい。
そして、エルヴィーラの叔父のバス歌手クリヴェーリもすばらしかった。一方女王役を演じた方は、カルメンではメルセデス役、昨日に引き続いて声量が足りなかった。

演出はシンプルで、これも声に集中できるという点でよかった。全体的には「声のスポーツ」を楽しんだという感じでした。ただ、ところどころオケの音が大きすぎると感じた。声が聞こえない。
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そして、ストーリー。どうしてこうなるんじゃというハッピーエンド。別に清教徒のストーリーでなくてもいいじゃない。まあイタリアの異国趣味がこれをオペラ化したのだろうね。それはシェイクスピアが、イタリア物の演劇が沢山あるのと同じかな。

果して今後ベルカントオペラに行くかどうかは、未定です。イタリアの劇場だったら行ってもいいかな?

最後に総統のお怒り

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by GIRO1965 | 2011-09-13 12:56 | 音楽
月曜日の事故の後右手関節がまだ痛くて、まだオフロードは走れません。土曜日は朝40分ほどランをした後に、1時間のロード。1分x5本を途中にいれました。

その後は妻に散髪してもらってから、家族みんなでびわ湖へ。

今日はびわ湖ホールでボローニャ歌劇場のひっこし公演に行きました。ちび二人はベビーシッターにお願いして、妻と久しぶりのデートでした。

ただ、放射能の影響で、春から来日を予定していた歌手のキャンセルが相次いでいました。それでも来てくださった代役の方々に感謝です。

1日目は、カルメン。前に見たカルメンはウイーンのオペラ座、アグネス・バルツアだったからかなり前だよ。

まずはドンホセのカウフマンが、マルセロ・アルバレス、エスかミーリョはショットにかわりアメリカ人カイル・ケテルセン、ミカエラはマリアネッリにかわってコッラデッティ。

で、この舞台はラトビアのリガでの演出の再演になっていましたが、部隊はキューバのハバナ。私はモダンなカルメンはこれまで見たことがなくって、古典的な演出ばかりだったので新鮮でした。ハバナだと、スペイン語だし、タバコ工場はあるし、マッチョな男はいるだろうし、ただし闘牛士はボクサーに変更されていた。これは許される範囲だな。
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しかし、アルバレスのドンホセはいままでみた一番なさけない男バージョンでした。声はいいよ。だけど演出がなさけない男。

冒頭からこわれたサイドカーを押して登場するホセはカルメンにもてあそばれる。

なさけない男ドンホセが飲み屋でカルメンに再会するとき、カルメンのダンスが色っぽい。まるで、六本木のセブンスヘブンのポールダンスみたいな感じ。これはお子様には見せられないなあ。その後、やっぱり兵舎に帰るといいだすドンホセのなさけなさ。

そして最後の場面。
ドンホセがカルメンに、よりを戻してくれと言い寄るシーン。カルメンはもう殺されるだろうことを悟っていて動じない。普通は最後にドンホセがナイフを抜くんだけど、今回のはすごかった。まず、エスカミ-リョのポスターが張ってあるプラカードのぶち壊して、その杭になっている木の部分を「槍のように」カルメンに向けて、戻って来い、さもなければ殺す・・・・ってやっちゃうんですよ。あー情けない男!

ま、まさか、あの杭でカルメンを串刺しか!とちょっと期待。(他のお客さんも、串刺しカルメンが見たかったに違いない)でも、最後は・・・・これから見る人のために書きません。

あと、ダンスのシーンが、サルサなんだよね。サルサはビゼーの音楽でも踊れるんだけど、せっかくの雰囲気を出すには、もっと沢山エキストラダンサーを使えばいいのに。
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ということで、演出にいくつかケチはつけたいけど、まあ許容範囲でした。そしてカルメン役のスルグラーゼは、元女優で後からオペラ歌手になった人。演技は最高だけど声はちょっと細い。ジプシーの女二人も多分彼女に合わせるために声が細い二人。一人は翌日の清教徒でも女王役をやりましたが、やっぱり声量が足りませんでした。
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by giro1965 | 2011-09-12 13:45 | 音楽

子どものための魔笛(日本語版収録) [DVD]

ナクソス・ジャパン


子供にオペラを見せようとするとき、選択肢は3つ、いやもしマリオネットを含めるとしたらもう少し増えるのかな。
ひとつはフンパーディンクのヘンゼルとグレーテル。もうひとつは、ヤナーチェクの、賢い女狐の物語、これはDVDはアニメ版もあってすばらしい、そしてモーツアルトの魔笛、後はマイナーだけどカルルオルフのメルヘンオペラ、これは日本では見れないな。

さて、今回は御土産と称して子供版「魔笛」を入手。

我が家ではテレビは殆ど見ない。子供たちがテレビを見るのは、主に日曜日、私が自転車の練習をして不在のときに、ゴーカイジャーとか戦隊モノを見ているらしく、フミもジャージャージャーといって興奮している様子。
これでいいのか?
ということで、このDVDを買って見せた次第。モノに頼るところが、私の安っぽさだな。

このDVDの特徴は英語版と日本語版が入っており、歌手が違うんだ。日本語版はモノローグが日本語になっている。台詞と歌はドイツ語で字幕つき。ただ、4歳には字幕は読めないので、親が横で解説して見る。全1時間に短縮してあって、例えばツァラストロのアリアとか最後の夜の女王のアリアなどはない。女王の家来の次女も一人だけと簡素化されている。

テレビは30分までときめてあるので、2日に分けて見る。そうすると、フミも集中して見てくれる。じーっとすわっていたということは、面白かったのか、それともゴーカイジャーは、出てくる人が暴れまくるから、それと一緒に体を動かしたくなるのか、それは分からない。

歌手はみなとてもいい。配役にピッタリだな。ただ、最初のシーンが納得いかない。女王の次女の一人が、自分で蛇役をやって、蛇をやっつけたあ? といってしまうのは、ちょっと短縮しすぎ。子供心に、このとき、デカイ蛇がやってきて、タミーノを襲うというシーンは、必須だったんです。それを小さい蛇で、あんなに短縮されるのは、やり切れない。

ジークフリードと、魔笛の蛇はデカイ方がいい。
あとは、良くできています。モノスタトスは衣装も面白く、子供にとっては面白い半分怖いみたいでした。パパゲーノもパパゲーナもかわいくて、なかなかいい感じですよ。
あ、オケもかなり小編成で編曲されています。まあ、メロディーとストーリーになじむにはこれぐらいが妥当かな、但し、冒頭のシーンをのぞけばですけど。
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by giro1965 | 2011-07-01 10:59 | 音楽
6月20日 アムステルダム
マリス・ヤンソンスは実は思い出が深い指揮者。1986年、まだ学生だったころ、レニングラードフィルを、ムラビンスキーの代役で指揮をしたのを聞いて、ショスタコービッチの第五で、すべてのビブラートまでそろったのが、「さすがソ連」と思った記憶がある。もしムラビンスキーだったらどうだったのか、一緒に聞きに行った仲間と話あったなあ。
と、その人は、その後もどっかでお目にかかったのか、なぜか雰囲気はよく覚えていた。あ、あの人だ・・・っていう感じでした。

さて実はチャイコフスキーのオペラ、多分うまれて初めて。だけどエフゲニーオネーギンのポロネーズ多分みんな知っているでしょう。私もなんで知っているのか不明ですけど。
http://youtu.be/4Um3wUL-pxw

演出は・・・賛否両論でしょうね。その場にいない人を、舞台の上でうろうろさせて、回想録風を装っていました。それは悪くなかったです。

演出の問題は2幕以降。今回のは、このビデオのように品の好いものではありませんでした。ソビエト兵に、ソ連の宇宙飛行士・・・・今は無き、懐かしきソビエト連邦共和国万歳という感じですかね。ふざけてます。熊も出てきます。まあ、熊は原作では、夢の中のシーンとしてでてきますが、他の人物は旧ソビエノの博覧会みたいです。オネーギンとレンスキーにピストルを渡すのは赤軍兵士です。キッチュです。
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オネーギンの小説を読んでいる途中ですが、こんなロマンティックな時代はもうないですし、昔の女にもう一度懸想して、身を滅ぼす・・・・今でいうストーカーなんですかね

一方エフゲニーオネーギン、プーシキンは、多分私からもっとも距離が遠い小説家だろう。ロシアのオペラもかなり遠い。だから勉強のつもりで読んだ。もともとこれは韻文詩というジャンルらしい。日本語になると小説だが、プーシキンは、詩人・小説家というべきなんでしょうね。

ソ連の前の地主階級が主人公です。多分プーシキンも同じ出身でしょう。オネーギンという主人公は、ドンジョバンニとは違って本当に世界との交わりが嫌いなようです。今だったら「オタク系」になるんだろうな。
オネーギンの友人のレンスキーも地主階級、その階級の中の話です。詩人ということになっていますが、そんなに立派な詩を書いているというか、そういう表現はないわけで、今だったら、「コミケ」で漫画うってそう。そして農民たちは、BGMとして民謡を歌っている・・・これは原作も同じ。

途中、オネーギンは決闘で友人のレンスキーを殺してしまう。現代であれば、決闘になるような話ではないんです。決闘になったのは、嗾けられ、名誉をまもる・・・そんな発想があった時代です。それに違和感を感じます。名誉を守るために決闘・・・・もうないでしょう。名誉のために自殺、これはあるかもしれませんね。でも決闘で殺された方は、いいとして、友人を殺した後は生きにくいだろうな。
タチアナたちと別れて10年ぐらい経って、それでもなおタチアナに懸想するオネーギンは、現代人としては理解できません。ストーカーに近い。
小説の方は、本来は韻文詩、そういう意味でオペラとは違った豊かさがあります。農園で働く人々との交わり、田舎くさい地主パーティー、舞踏会、大都会モスクワの喧騒、時代が起き去った一切を、歌い上げています。
未来に関しては、たとえばモスクワの道路は500年後には舗装されているなどの予言。それでも、帝政はかわらない・・・など、ちょっと的外れのことが書いてある。
プーシキンは、進歩思想がその後嫌われたということになっているらしいけど、この程度だったのかな。
さて、そのプーシキン、レンスキーと同じように自分も決闘で死んでしまう。ガロアもレンスキーとおんなじような理由で同じころに決闘で死んでるし、レールモントフもか・・・・でも、この3人ぐらいしかしらない。やっぱり決闘で死ぬことはよっぽどのスキャンダルだったんだろうな。
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by giro1965 | 2011-06-20 23:00 | 音楽

オペラの運命

出張中は体調も悪く本をたくさん読んだ。その内の一冊。

オペラの運命―十九世紀を魅了した「一夜の夢」 (中公新書)

岡田 暁生 / 中央公論新社



この本は、オペラの歴史、王侯貴族の儀式として生まれたこと。当時は貴族の出会いの場だったこと。そんな歴史から始まります。パリオペラ(Garnier)座のボックス席は、後ろに食事ができる空間があったりしましたね。今はここはバレエ中心かな、オペラはほとんど見れないでしょうけど。

また、オペラ中に寝たりすることは当たり前だったようです。今でも私もオペラを見ながら王侯貴族のように眠るのが好きですが、数年前に見たオペラで、歴史的名演といわれるものでも私が寝たことを今でも妻にチクチクと弄られることがある。まあ、王侯貴族のように寝たということで、この本を読んで安心した。オペラは寝てもいいんだ。

モーツアルトがそこに人間の息吹を吹き込んだこと。その後もブルジョアや裕福な人向けの芸術だったこと。たしかにオペラとして見ておもしろいのはモーツアルトの喜劇オペラからだと思います。モーツアルトの悲劇オペラは、ピンときません(皇帝ティトス、イドメネオ)。

そもそもモーツアルトオペラとの最初の出会いは小学生の頃。子供のころ母につれられてミュンヘンにいくと、夜は母は劇場やコンサートに行くときに、子供は家においても暴れてしかたがないと判断したのか、叔母は私と弟をマリオネット(人形劇)に連れて行ったのでした。
そしてそこで上演されていたのは、子供向けの「魔笛」の人形劇版です。今でもミュンヘンやザルツブルグのマリオネット劇場ではこのレパートリーがあるはずです。それ以外にもカルルオルフのDie Kluge(賢い女)なんかも見た気がするが、いつごろだったか、何歳だったかということは覚えていない。

当時はちょっとはドイツ語も理解していたが、わからない事もたくさんあって、叔母にWas? Warum?と聞きまくっていたに違いない。人形劇は子供向けとしても、大人向けとしても良くできています。ここで覚えた魔笛のアリアは、一生忘れないでしょうね。今でも時々口ずさむし、ヒルクライムしていても、頭に響くことがあるな。

また、ワーグナーは、ラインの黄金の初演の際に王侯貴族を平土間に並べた椅子にすわらせた・・・・これまでは王侯貴族はボックス席というのが相場だったのに・・・ということをやってのけた人だったということも。ワーグナーのオペラ、特に指輪は耐えることに意義があるということが書いてあります。私もこの指輪を3回通して見て、耐えました。ワーグナーの「指輪」は耐えることに意義があります。本当です。

それで、オペラのどこがいいの?って聞かれれば、その「雰囲気」というのが一番しっくりする回答だなあ。そういう意味で、ミュンヘンのオペラ座が、1980年代は一番オペラっぽかった。だからCDだけで聞くこともありますが、DVDで見ることもありますが、劇場に行くのが今でも楽しみです。

雰囲気には、以下の要素があると思います。
1.タキシード+ドレスで着飾る観客、すなわち舞台だけではなく観客も「他とは一線を画している」というスノビズム
2.金がかかった特別な演出、ミュンヘンの当時のワーグナーの演出も面白かった。レンホーフ演出、サバリッシュの指揮で、ルネ・コロの声にやられた、音楽で圧倒されるのはもちろん、映像でも圧倒されていた。あとは、シュトラウスの薔薇の騎士などもすばらしかった。最近はミュンヘンもシンプルになってきたらしい。最近はいっていませんけどね。シーズンが合わない。
3.出会い、オペラというのは出会いの場です。現代でも変わりません。今でも私の人生に深くかかわっています。ひとつひとつの出会いで、一晩話ができるぐらいです。

もはやほぼ、博物館的な展示場、歴史的な遺物になりつつオペラですが、これからもスノッブ達を駆り立て、出会いの場を提供してくれることを期待します。
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by giro1965 | 2011-05-24 10:50 | 音楽

ダウランドとスティング

新居に引っ越してから、改善されたのが音楽を聴く環境。特にここ数日は妻の父母がチビ二人の面倒を見てくれ、夜に自由な時間がチョコッとある。

そんな中、ここ数週間、岡田暁生という京大の音楽学の先生の本を続けてよんでいました。「西洋音楽史」、「ピアニストになりたい」などの本を書いています。

古楽のCD紹介の本を読んでいるときに、スティングがジョン・ダウランドを歌ったDVD/CDがあるということを知りました。2006年の発売なので、もう5年前のこと。当時は音楽を聴く余裕はなかった。

さてスティングは、Shape of my heartなんかが好きで、カラオケに連れて行かれると、仕方なく歌ったりしますが、決して簡単な曲ではありません。いつも外してしまいます。

一方ダウランド、ほとんど知りません・・・後でわかったことですが、シェイクスピア劇中の作曲者だったこと、セルバンテスやエリザベス1世や徳川家康とほぼ同世代の、作曲家+リュート奏者。そういえば、シェイクスピアの劇中ではリュートにのった、ダウランドっぽい曲がかかっていたような気がしていました。

静かな夜に、皆が寝た後、静かに聴きます。
最初の曲はCome Again


このバージョンのは、後ろのコーラスが余計。DVDのはシンプルでいい。

歌詞はここに邦訳がありました。


なぜか私の心の琴線に触れまくりました。曲想のメランコリーなところも好きです。そしてもともと数人によって楽しむ室内楽としてかかれており、大げさでないところ、シンプルなところ、が私のサイズにぴったり。

さらには、歌詞の1番と2番の対比も見事な、エロティシズムと死の対比
これは、当時のヒットソングだった。ひょっとしたら、平戸や出島でも歌われていたかもしれない。

偶然、今朝インターネットラジオから聞こえてきたのは、弦楽演奏によるLacrimae、これもダウランドのすばらしい旋律。やはりかなりメランコーリック。
私は暗いのが好きなのか?

多分、リュートと歌とか、小規模のが好きなんでしょうね。室内楽向きの性格だと、やっぱり思った。
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by giro1965 | 2011-05-07 05:35 | 音楽
今日の夜はポンポンをベビーシッターに預けて、久々のデート

ということで、夕方の通勤自転車はお預けなので、朝4時30に起きて、4時45分から家から大正池往復。この時間はまだ21度と涼しい。
木津川の自転車道を平均30キロのペースで進むけど、この時間はワンワンのお散歩が多く、リードに絡まって落車しないように、ときどきペースダウン。

木津川をわたって大正池ルートに入って、今日はいつもの90%でいいや・・・なんて思っていると心拍は160ぐらいでとまってしまう。結果も21分51秒と振るわない。 「たかが20分のTT、死ぬほど踏まんか!」とあとで反省。

結局51.4キロを2時間弱で終了。今日はもういいやというぐらいは乗った。

仕事は月末で忙しいが、なんとか5時30分に脱出して大阪城傍のいずみホールに向かう。 妻とは現地待ち合わせ。白いワンピースがかっこいい。これ着てるの3年ぶりぐらいじゃないかな。

そして東京カルテットの演奏会。なんとなく漫才師みたいなネーミングだが、結成来30年になるかなり歴史のあるカルテットだ。ベートーベンのカルテット75番ハープと、ハイドン、そして136番(ベートーベンの最後のカルテット)。

ベートーベンの顔というと、怒った顔!が思い出されるのは、学校の音楽室にかけてあった絵のせいか、あるいは第9のような仰々しい音楽のせいだろうが、ベートーベンは実はお茶目である。そのおちゃめの代表が136番のカルテット(16番)

このカルテット136番のテーマは、ある楽譜商との借金のやりとり。このことは楽譜にも書かれていますが、ドイツ語で Der schwer gefasste Entschluss, Muss es sein?, Es muss sein!, Es muss sein!(ようやくついた決心、そうでなければならぬのか? そうでなければならぬ!)。

私には「ようやく借金を踏み倒す決心がついた」「てめえ金かえせ!」、「え、まじでかえさなあかんの?」 ・・・・・「めんどくさい、踏み倒したれ」
というふうに聞こえるのだ。多分こっちが本当で、音楽評論家たちが持ち上げて、芸術のなんとかといっているが・・・この音楽のおちゃめさ加減から、私は借金の話の方が本当に感じるのです。

これはハーゲンSQの演奏
http://jp.youtube.com/watch?v=ka7sWEc6mZ0

東京カルテットの楽器はすべてストラディバリウスだ。しかもかってパガニーニが所有していたという4つのセット。こんな楽器は値がつけられない。

演奏は・・かなりよかったよ。ただし、最初のベートーベンは音踏み倒したりしてたけどね。楽器が鳴るまで時間がかかるのかな、ビオラと第二バイオリンは苦労していた様子でした。
ただ次のハイドンと136、そしてアンコールのドビッシーSQのピチカート楽章は完璧。

帰りは中央線にのって妻と米原真里の本を読みながら・・・二人ともニヤニヤ。これはまたべつのときに・・・
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by giro1965 | 2008-07-30 23:23 | 音楽

ABQ

昨日妻とアルバンベルグ弦楽四重奏団のフェアウエルコンサートにいってまいりました。
思えばABQのベートーベンは、私が国家試験の時にずーっとかけていた音楽でした。

その後はハーゲンSQなどにも浮気しましたが、こうやって最後の時を過ごすと、やっぱり私の青春の音楽だったのかなあ、とついつい涙腺が緩んで参りました。

ビオラのカクシュカは数年前に逝去され、女性にかわっていました。この方もとても聡明なアンサンブルをこなしていました。

曲はハイドン、アルバンベルグそしてベートーベンの132番でした。
132番はリディア調という特殊調ではじまり、まるで教会音楽みたいです。

やっぱりベートーベンの後期SQはいいねえ。6月から大阪で全曲チクルスが始まるから、いけるものは行きたいなあ。
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by giro1965 | 2008-05-26 12:51 | 音楽